田舎暮らしの実態
美しい自然、きれいな空気、そして人ごみとは無縁な田舎での生活に憧れている、という方が多く、実際に都会を離れて引っ越してしまうことを検討している方も少なくないようです。
確かに田舎暮らしには多くの魅力がありますし、都会での生活にはないメリットもいくつも持っています。
しかし、そこには当然デメリットだってあることを頭に入れておかなければ、いざ引っ越してしまった後になって「こんなはずじゃなかった!」なんて思ってしまうことになるかもしれません。
そこで、実際に田舎で生活を送っている筆者が「田舎暮らしの実態」についてお話してみたいと思います。
田舎への引っ越しを検討されている方はどうか参考にしてみてください。
都会と田舎はまるで別世界
同じ日本であるとは思えないほどに、都会と田舎はまるで違った世界となっています。都会では当たり前にできることが、田舎ではできません。また、その逆のことがいくつもあります。
都会で暮らしている方は、毎日だって買い物に行くことができるのではないでしょうか?しかし、田舎では周囲30キロ以内にスーパーすらない、という地域だって存在しています。
そうなれば、買い物は週に1~2回が限度となりますので、まとめ買いが基本となります。
深夜にちょっと小腹がすいたけれど、家には何もない…そんな時に行くことのできるコンビニすらありません。
これはあくまでほんの一例ですが、それだけでも生活スタイルを大きく変えなければならないことご理解いただけるでしょう。
田舎へ引っ越しても、今と同じスタイルで生活を送ることができる…そう考えているのであれば、それは改めるべきです。
田舎へ引っ越す、ということは生活スタイルをまるごと変えてしまうこと…その位の覚悟がなければ田舎での生活を送ることはできないでしょう。
これから当サイトでご紹介する田舎暮らしの実態を、まずはしっかりと頭に入れた上で、本当にあなたは田舎へ引っ越すべきなのかを考えてみてください。
田舎暮らしと食の問題
私たちが生活を送る上で、決して無視することのできない問題の一つが「食」についてです。田舎は自然が豊かなので食べ物もおいしいのでは?と思われている方も少なくないでしょう。しかし、田舎は常に食に関する悩みを抱えています。
人が生きて行くためには、毎日何かを食べなければなりません。田舎は豊かな自然に囲まれていますので、食べ物も豊富なのでは?と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
確かに農村であれば、さまざまな作物が収穫されていますが、それがそのままそこで暮らしている人の口に入るわけではありません。
結局は、出荷され、流通しているものを購入することになりますので、都市部で暮らしているのとそれほど変わらないのです。
問題となるのは、田舎には購入する場所がほとんどない、という点です。
食べ物を買う場所がない!
筆者が暮らしている町には生鮮食料品を買うことのできるお店が1つもありません。なので、食材は車で1時間ほどの所にあるスーパーまで行かなければなりません。
これほどの距離になれば、頻繁に通うことはできませんので、どうしてもまとめ買いをしなければならなくなってしまいます。
1週間に1度しか買い物をすることができなければ、週の終わり頃の食卓に並ぶのは冷凍ものや乾物、加工品ばかりになってしまいます。
豊かな自然の中で生活をしているにもかかわらず、その食生活は都市部よりもずっと貧しいものなのです。
田舎暮らしをすればいつでも新鮮なものを食べることができる!それは大きな間違いなのです。
田舎には遊ぶ場所がない!
都会には周りになんでもそろっていますので、遊びたい時にも困ってしまうことはほとんどないでしょう。しかし、日常の買い物をすることのできる場所すらない田舎には、当然遊ぶことのできる場所なんてまったくありません。
都市部で生活を送っていると、ちょっと退屈な時やストレスを発散したい時に、遊ぶことのできる場所がいくつもあります。
カラオケ、ボーリング、映画館、スポーツジム、そして風俗…これらがどこにでも当たり前にあるもの、と考えている方も少なくないでしょう。
田舎には遊ぶところがない!
では、実例として、筆者の家から先ほど挙げたプレイスポットまでの距離をご紹介してみましょう。
・カラオケボックス…21km
・ボーリング場…43km
・映画館…32km
・スポーツジム…47km
・風俗街…約100km
これは決して特殊なケースではありません。田舎では少し遊びに行くにも車で一時間以上をかけて移動しなければならないのです。
これでは頻繁に息抜きやストレスの発散をすることはできません。
こういったプレイスポットを頻繁に利用しており、それが生活の一部になっている、という方にとって、田舎暮らしはとても辛いものとなるでしょう。
遊ばなくても生きて行くことができる…確かにそうです。だから人の少ない田舎には遊ぶためのスポットが存在していないのです。
筆者の場合、最初からこのような環境の中で生活してきましたので、何とも思いませんが、都市から引っ越してきた方の多くが、遊ぶ場所がないことに大きなストレスを抱えているようです。
田舎町から病院が消えて行く
田舎暮らしの不便なところは買い物をするお店や遊ぶ場所がない、ということだけではありません。時には命に関わるような大切な場所が近くにはない、ということもしっかりと頭に入れておくようにしなければなりません。
田舎には、買い物をする場所や遊ぶ場所がありません。さらに、公共の交通機関なども満足に利用することができません。
これはとても大きなデメリットと言えるでしょう。
しかし、もっと大きな問題が潜んでいることも忘れないようにしなければなりません。田舎には、病院だってないのです。
時には命にもかかわることがあるかもしれませんので、田舎への引っ越しを考えているのであれば、しっかりと頭に入れておかなければならない大切な問題です。
過疎が進んだ町には病院がない
筆者の暮らしている町にはかつで、3つの小さな個人病院がありました。どこも内科専門でしたが、住民にとってはとても大切な存在でした。
しかし、後継者がいないことから、近年その内の2つが閉院してしまいました。今、筆者の暮らす町にはたった一つの病院しかありません。
1つでも病院があればまだいい方で、町には一つも病院がない、といったエリアも少なくなくなっています。
また、内科医院はあっても、すべての病気や怪我に対応することができるわけではありません。
そうなると、遠く離れた場所の病院まで行かなければならなくなってしまいます。
ちょっとした病気、怪我ならまだ良いですが、急を要するような事態になってしまったら…考えただけでゾッとしてしまいます。
これが、田舎での生活の現状なのです。